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2012/3/9 「東京奇譚集」 村上春樹 新潮文庫

東京奇譚集 (新潮文庫)

東京奇譚集 (新潮文庫)

村上春樹の短編集は面白い!!30分足らずの時間で自分をどこか不思議な世界に導いてくれる。この「東京奇譚集」は特にそういった物語を集めているので、とてもじっくりと独特な世界を堪能することが出来た。

最初の「偶然の旅人」は高三の頃の現代文の授業で読んだことがある。当時の現代文の先生が村上春樹が好きで、独自の教材として選んだのだと記憶している。
ちょっとしたきっかけでとても大きく変化することが出来る。ちょっとした出来事が実は大きなチャンスだったりする。この歳になって読むと、当時、現代文の先生が何を僕らに伝えたかったのか今なら分かる気がする。
神様があたかも“偶然”を装って、様々なことを我々人間に対して行っているのかもしれない。
「そう信じたい」と、この物語は終わっているが、本当にそうなのかもしれない。自分にはまだこの「偶然の旅人」の中での体験に遭遇したことは無いけれど(あるいは気づいていないだけかも)、今後そういったことがあれば自分なりにしっかりと受け止めたい。
ようは感じる自分しだいなのかなという感想を持った。


「ハナレイ・ベイ」
「どこであれそれが見つかりそうな場所で」

「日々移動する腎臓のかたちをした石」
題名だけでも不思議な物語の匂いがぷんぷんと(笑)
この話では、登場人物の書く小説に腎臓のかたちをした石が出てきます。それが現実と絡み合って不思議なこの短編を構成している。
品川猿
この物語も不思議でした。あまりネタバレになりたくないから言いたくないが、しゃべる猿が出てきます。そして人の名前というのがポイントになってきます。

ちょっと長くなりそうなので編集は後々・・・