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2012/6/27 「建築環境設備学」 紀谷文樹 彰国社

建築環境設備学

建築環境設備学

この本は東工大の院試の対策として手に取りました。
内容としては完璧な読み物。他の環境工学の教科書のように式ばかりだったり、よく分からない図がたくさん載っているというよりは、知識として最低限のものを分かりやすく文章で書いてあり、面白かった。

例題が載っていたり、ある式の導き方が式を追って載っているわけではないので、もしかしたら院試対策としては不十分なのかもしれないが、気軽に読めてこの本をきっかけにして他のいわゆる教科書のようなものにいけばすんなり理解できるかな。

環境系の人には必須な知識ばかりだと思うし、他の意匠・構造系も一読の価値あり。

「勤勉な供給者が怠惰な消費者を養成するがごとし」(出典不明)とあるが、この指摘はまさに現在を言い得ているかのよう。
環境工学がただの学問としてではなく、今を表す時事的問題、さらにどんなことを考えて生きなければならないか、ということも筆者の主張として述べられており、環境の建築の分野での歴史の移り変わりにも触れているので、環境をみっちり勉強しよう!という人もそうでない人も興味深く読めるはず。


とりあえず環境系の人で読んでない人はまず読むべし。