2012/11/12「ますます眠れなくなる宇宙の話」−「地球外生命」は存在するのか− 佐藤勝彦(宇宙物理学者) 宝島社
ますます眠れなくなる宇宙のはなし〜「地球外生命」は存在するのか
- 作者: 佐藤勝彦
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2011/12/14
- メディア: 単行本
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今回は宇宙人はいるのか?宇宙における人間という存在はどういうものであるのか?ということに主題を置いて書かれている。
結論から言えば「分からない」(笑)のだが、「宇宙人の存在を考える」こと、「存在する!」と信じること、「いや、宇宙の中では人間は特別な存在であり宇宙における奇跡の賜物なのだ」と信じること、それぞれに意味があり、永遠に人間の興味の対象となるものだと主張されている。
確かにこの広い宇宙の中で自分で考えて、動いて、生活している存在が人間しかいない、と考えるのは不自然な気がする。宇宙はとてつもなく広く、地球のような星が他には存在すると考えることは当然だと思う。
ただ、調べるにつれ地球という存在と生命の誕生と、知的生命体である人間まで進化するということは様々な奇跡の積み重ねであり、もしかしたら宇宙唯一の存在なのではないか?とも思えてくる。
太陽系の成り立ちからして奇跡であり、地球の成立も奇跡であり、隕石の衝突するタイミング、他の太陽系の惑星との距離、地球の回転の速度、太陽の大きさ・燃え方の程度など、どれをとってもどんなに広い宇宙でもこんな条件が重なることはそうないのではないかと思ってしまう。
「宇宙人はいるのかな?」
「宇宙人と言わず、微生物程度でも生命体は宇宙のどこかにいるのかな?」
「それはいったいどんな形をしているのだろう?」
「もし、宇宙人とコンタクトが取れたら人間とどんな関係を築くのだろう?」
「もう地球外知的生命体は、地球を発見しているのかな?」
・・・こんな感じできりがなくなるのである。。
“Where is everybody(みんなどこにいるのであろう)?”とは、本書で紹介されているエンリコ・フェルミ(1901〜1954)の言葉であり、‘フェルミのパラドックス’と呼ばれている。
宇宙人はもう地球にいるかもしれないし、すでに地球に向けてメッセージを発信しているかもしれないし、やっぱり人間は宇宙で唯一の存在であるのかもしれないし、答えはまだ分からない。
本書では様々な説が上げられているが、中でも興味深かったのは「高度な文明は短期間で自滅する」というものである。
これは今までの人間の歴史からも分かるように、他の種類の生物を絶滅させたり、同じ人間同士でさえも殺しあったしするし、地球さえも壊してしまうような核兵器を発明したりする。だから宇宙にはたくさん人間ほどの知的生命体が誕生しているが、みんな同じように自滅するので出会う事はない、という説。
これには心が動かされた。
もちろん正反対の説もあり、「人間はやがて宇宙生命体となる」と言っていて人間は地球外にも生息域を広げていき、最終的には宇宙に満ち溢れるというような内容である。
でも自分としては先にあげた、“自滅説”がかなり的を得ているのではないかと思ってしまった。
核兵器がテロリストに渡ったらどうなるのか?このまま環境破壊が進んだらどうなるのか?
地球の資源は無限ではないし、それをめぐる人間同士の対立で地球そのものはどうなるのか?
・・・こんな感じで宇宙を考えていたのに、やがて人間自身のことを考えるようになる。
とりあえず面白かった!!!
まとまりのない‘感想文’となってしまったが、まだまだ書き足りないことだらけだし、これはまだまだ自分の知識の無さのせいでもあると思う!
また宇宙関係の本を読みたいな〜。とも思っているし、そろそろ小説も何か読みたい今日この頃である。。。
とりあえずおススメ!!!!(眠れなくなる。ということは有りませんでした。。。)