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2012/12/10 「かたみ歌」 朱川湊人 新潮文庫

かたみ歌 (新潮文庫)

かたみ歌 (新潮文庫)

戦後の日本で戦火を逃れた古き下町がこの物語の舞台。7つの短編集です。

一つ一つの説明は長くなってしまうのでやめておこうかな〜、と思っていますが全編通してとても時代感や雰囲気を堪能できる良い小説でした。

はっきり言いますと、幽霊が出てきます。
背表紙の説明にある‘不思議なこと’というのは幽霊が出るということを言っています。

でも、それが怖さを表わしていたり、読者をビビらそうという意図は決してなく、むしろ読者をこの世界に引き込んでいく、この物語を読んでもらうことでなんとなく懐かしい気持ちにさせる、そういう役目があるのかなと思います。

短編集ですが、舞台が同じで登場人物の一人は前編に出てくるのでなんとなく連続しているような構成になっています。

ゆったりと読むのに適した一冊!
本当にゆったりと読めました!!

難しい謎解きや、伏線が張り巡らされているということは無いので、忙しい合間に読むのにぴったりでした。