2013/3/30 「プラチナデータ」 東野圭吾 幻冬舎
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/07/05
- メディア: 文庫
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かなり面白かった!かなりSF!
話が良くできすぎているので、細かいことを気にする人にはなかなかウケは良くないかもしれないが、自分としては久しぶりに読む小説だったので読後感もかなり良く、割と楽しめた。
かなり伏線が序盤でも多く出てきたので、これらが全て解決されるのか少し心配しながら読み進めていたが、最後は無難にまとまった感じかな。
とりあえず読後感が、読者に何か考えさせるとか、釈然としない終わり方というわけではないので、普通に物語を楽しみたいという人にはおススメかも。
文章は2人の登場人物の視点で書かれていて、それぞれの視点でお互いの人物の印象が全く変わるので、読んでいる側としては誰かの心になって読むというのは難しいかも。
“プラチナデータ”とは何のことを指し示すのか?ひとつのポイントであるが、その“データ”に“プラチナ”と名付けてしまう作中の登場人物達のことを考えると、よりリアルに物語の本質が見えてくるかも。
ちょっとネタバレになってしまうが、そのデータはプラチナでもなんでもない、ただの護身のための卑怯な考えであり、そこには一般庶民の力の及ばない、とてもやるせない思いがある。
まぁ、SFものであるのでそこまで深く考える人はいないとは思うが、現実でも国民を番号でデータ化するという法案がニュースで流れたりするので、そこらへんを作者は意識したのではないかと思う。
ざー、っと書いたが、こんな感じ。久しぶりの小説としてはとても楽しめたので、また映画化もされているので機会があれば見てみようかな。